薬剤師で3児の母、ゆりです。
最近よく言われる「アトピーの予防に保湿が良いらしい」という話。
じつはこれ、噂ではなくて国立成育医療研究センターが公式に発表した研究論文がもとになっているのです。
わかりやすく解説しますので、ぜひ赤ちゃんのアトピー予防に役立ててくださいね。
アトピーの原因とは?
昔からよく言われるのが、妊娠中や授乳中に卵を食べ過ぎると良くないとか、牛乳の飲み過ぎが原因なんていう話。
実はこれ、大きな間違いなのです。
正しくないというよりも、むしろ逆効果。
これまでの研究で、妊娠中や授乳中にママがアレルギーの原因になりそうな卵などを、食べないようにしていてもしなくても、赤ちゃんのアレルギー発症率に差はでなかったと報告されています。
むしろ、動物実験では卵をしっかり食べて授乳した子どものほうが、卵アレルギーが少ないという研究結果もでているくらい。
ママも赤ちゃんも、食物アレルギーがなくて健康なら、しっかりバランスのとれた食事をとることが大切なのです。
(もちろんママがアレルギーをもっている場合は、無理して食べてはいけません)
皮膚からアレルゲンに触れることが原因
現在は、アトピー性皮膚炎をはじめとして各種の食物アレルギー、気管支喘息やアレルギー性鼻炎なども、皮膚からアレルギーの原因になる物質に触れることが原因になると言われています。
通常、皮膚は角質で保護されているため、いろいろな物質に触れてもバリアが効いていて問題にはなりません。
が、湿疹や乾燥などで角質がボロボロになり、皮膚のバリア機能が落ちると、アレルギー物質が皮膚の中にあるアレルギーを起こす細胞に接触してしまいます。
これによって、アトピー→食物アレルギー→喘息…という、いわゆる「アレルギーマーチ」につながってしまうのです。
逆に、皮膚からアレルギーの原因物質に触れる前に、食べ物として口にしているとアレルギーを発症しにくいという研究も世界中で報告されています。
保湿でアトピーを予防できる
皮膚のバリア機能が正常に働いていれば、アレルギー物質が皮膚から入り込んでしまうことは防げます。
皮膚のバリア機能を補うためには、保湿が基本中の基本。
「なるべく赤ちゃんのお肌を荒れさせない」ことが、アトピーを始めとする様々なアレルギーの大きな予防法なのです。
もちろんアレルギーが発症する原因は本当に様々で、完全に防げるという保証はありませんが、少なくとも原因の一つはシャットアウトできることになります。
新生児期からの保湿剤塗布によりアトピー性皮膚炎の発症リスクが3割以上低下することが分かりました。そして、アトピー性皮膚炎発症が卵アレルギーの発症と関連することも確認されました。
アトピーを予防するための保湿剤の選び方
アトピー予防の基本は、肌を清潔にした後に、たっぷりの保湿剤でカバーすること。
使用する保湿剤は、なるべく添加物が少なく、食品由来の成分が入っていないものがオススメです。
まとめ
アトピーを予防するために、妊娠中から授乳中にママが卵などを除去するのは間違いです。
また、最新の研究でアトピーを始めとしたアレルギーの原因は、お肌からアレルギーの原因になるものが入り込むことだとわかってきました。
湿疹や乾燥などでお肌が荒れていると、アレルギー物質が入り込みやすくなってしまいます。
お肌を清潔にして、しっかり保湿剤でカバーしてあげることが、2017年現在、最新のアトピー予防の一つの対策。
使用する保湿剤は、なるべく添加物が少なく、食品由来の成分がはいっていないものを選びましょう。